小泉支持率史上最低36%森内閣以下の「危険水域」?

http://www.zakzak.co.jp/top/2004_07/t2004072101.html

 小泉、史上最低−。参院選後の報道各社の世論調査が21日までに出そろい、小泉純一郎内閣の支持率が軒並み不支持率を下回った。なかには、歴史的不人気だった森喜朗内閣より低く、発足以来最低の「36%」という末期的数字まで記録した。

小泉内閣支持率】
    支持率 / 不支持率
朝日: 36% / 48%
読売: 43.3% / 46.3%
毎日: 40% / 44%
NHK:43% / 45%

(2004/7/21 夕刊フジ/zakzakの記事による)

内閣支持率調査は、過去に半期、または月に一度くらいのペースで行われていたはずだが、最近は何か首相周辺に動きがあるたびに、直前、直後に調査を行うようになってきているようだ。
特に、首相にとってマイナスダメージを与えられるように予めネガティブ・キャンペーンを行っておいてから、それに回答を得られる時期を狙って調査が行われる。
現在のこうした世論調査は「電話帳から無作為抽出した家にかけて聞く」という方式を採っている、ということになっている

一見すると、非常に公正に聞こえるが、実際には必ずしもそうとはいえない。

これらの調査では、「電話を掛けた時間帯」が公開されていない。
時間帯というのは重要である。電話帳から無作為抽出ということは、多くは一般家庭向けということになるが、平日昼間の午後2〜3時だったら家にいるのは主婦のみ。日曜昼間の朝8時だったら、まだ寝てる家だってあるかもしれない。さらには、平日昼間の個人宅への電話ということになると、サラリーマンに限らず「勤めに出ている人」はまず電話調査の対象にならない。
誰もが公平に情報を得て、あらゆる業種職種の人が在宅しているとは限らない

また、各社のこうした「質問者が恣意的な結果を操作可能な世論調査」を、孫引きして書かれた上記ZAKZAKの記事では、もっとも低い数値である朝日新聞の調査結果を殊更に強調している。
加えて、見出しでは小泉内閣史上最低を特に強調しているが、これは「憲政史上最低」「歴代内閣史上最低」ではなく、小泉内閣史」での最低、という意味。もちろん、「歴史上最低」であるように誘導したミスリードである。また、「森内閣よりも低く」という記事中の引用も、「史上最低」の烙印を(マスコミが)押した森内閣よりもさらに低い、と印象づけるためのミスリードである。
確かにこの記事だけを読めば、「小泉内閣は今や森前内閣以上に支持率を失った」ようにも見えるわけで、そう信じてしまった人はマスコミのミスリードに釣り上げられた人と言ってよいだろう。

世論調査の数字に一喜一憂しない。上がるときもあれば下がるときもある」
とは確か小泉総理自身が高支持率のときに言ったコメントだったと記憶している。(株価のときにも、「株価の上下に一喜一憂しない」と言っていた気がするが、今は手元にソースがない)
世論調査/内閣支持率調査という調査そのものが、世論操作/内閣支持率操作に直結している、というカラクリが存在しているわけだ。



これを見抜けるか見抜けないかで、視聴者のメディアリテラシーが試される。